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施工事例10(茜郡函渠)

続きまして、岐阜大学様との共同研究におきまして、予防保全対策を目的として、ボックスカルバートの雨掛かり条件の異なる面への試験施工とその含浸深さの検証について紹介をいたします(その10)。

・茜郡函渠(岐阜市内)
・期間:平成30年2月~平成30年11月
・施工部:函渠側壁A=3㎡(0.5×1×2面×3区)
・使用薬剤:カルサプリ&リアクトライズ
・使用器具:刷毛
・本工事は幹線道路のボックスカルバート(函渠)において、本補助材併用のけい酸塩系表面含浸材についてコンクリート構造物の予防保全対策とその効果検証を目的として試験施工が計画された。
けい酸塩系表面含浸材をコンクリート面に適用したときの含浸深さは、一般に数mm程度とされており、一方で立体駐車場に適用をした例では降雨と日射の繰り返しにより含浸材が再溶解をしてコンクリート構造物の内部にまで浸透して、含浸深さが数十mmになったという事例もある。
そこで実構造物にて、①雨掛かりのある底面(上面)、②雨掛かりのある側面、③雨掛かりの無い側面の3箇所に対してけい酸塩系含浸材を塗布して、塗布の1ヶ月後、半年後の含浸深さについて調査を行った。
薬剤の含浸深さの検証は、補助剤併用工区と対照としてけい酸材単独の工区について、施工直後、半年後、1年後に施工面よりφ5㎜ドリルにて試料を15㎜深さまで試料を掘削採取して調査を行った。
その結果、雨掛かりのある面については副生した水溶性アルカリ塩が風雨等の影響によりコンクリート構造物の内部にまで拡散をしていた。雨掛かりの無い面は表層部に留まっていた。又、補助剤併用工区の方がけい酸塩材単独の工区よりも、より緻密なC-S-H保護層が形成される傾向がみられました。この結果については、後に論文にして学会発表をいたしました。

ボックスカルバートの外観
 
前処理として水洗浄で表面の汚れを除去(側面)
 
同様に上面も水洗浄
 
2月の寒い時期のため表面を薬剤塗布前に暖気
 
薬剤塗布の様子
  
pH測定にて塗付確認

塗付面(事例) 雨掛かりの無い側面

施工後半年後
①雨掛かりのある底面(上面)

②雨掛かりのある側面

③雨掛かりの無い側面
 
分析用試料の採取

採取した試料をK572含浸深さ試験方法で分析前処理

試料よりアルカリ金属元素(Na,K,Li)を抽出

ICP発光分析装置で定量分析


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