コンテンツ

top > コンクリートの長寿命化コンテンツ

コンクリートの長寿命化コンテンツ

リチウムイオンのASR抑制効果

今回は、リチウムイオンがアルカリシリカ反応(ASR)を抑制する効果について説明をいたします。



◇アルカリシリカ反応(ASR)とは

ASRとは、セメント中に含有されるアルカリを含む硫酸ナトリウムや硫酸カルシウムなどが、セメントの水和反応の過程でコンクリートの隙間に水溶液として溶けだし、強アルカリ性となり、骨材中のアルカリシリカ成分(SiO2)と反応して異常な膨張を生じる現象のことをいいます。アルカリ骨材反応ともよばれます。


◇ASR発生のメカニズム

ASRによる異常膨張は、コンクリート中のアルカリと骨材中の反応性シリカより生じたアルカリシリカゲルが吸水膨張をして生じます。反応性骨材の膨張はコンクリートを内部から押し広げようするために、コンクリート表面に大きなひび割れとなって現れます。


◇リチウムイオンによるASR抑制効果
リチウムイオンをコンクリート表面から含浸させる工法、ひび割れに注入をする工法がASRの抑制対策に用いられています。亜硝酸リチウムがよく使用されています。
リチウムイオンがコンクリートに浸透すると、反応性骨材又は反応後のシリカゲルと反応し、不溶解性ゲルを生成して膨張を抑制する効果があります。
リアクトライズにはリチウムイオンが配合されています。又pHも11.5程度です。


--UMAI CHEMICAL-------------------
お問い合わせはこちらまで
東日本担当(エリア:北海道~静岡)

施工事例15(西之坊橋)

 今回はリアクトライズ+撥水(+H)の施工について紹介をいたします。



・西之坊橋:愛媛県四国中央市
・施工面積:A=約700㎡
・施工箇所:橋梁上部工及び床版下面
・期間:令和3年1~3月
・使用薬剤:リアクトライズ+H 200㎏
・本工事は、昭和43年架設橋梁の橋梁耐震工事に合わせて、橋梁の延命化のため中性化対策を目的として「撥水作用を付与したオールインワンのコンクリート含浸材」のリアクトライズ+Hの施工が計画された。当該橋梁は架設後50年が経過し中性化が進行していた。一部には腐食が鉄筋にまで及んでいたため、ポリマーセメントモルタルで断面修復を行った。その後床版下面と側面部分及び上部の歩道部分についてリアクトトライズ+Hによる表面含浸工が行われた。施工面は白華等の変状もなく良好な仕上がりであった。
リアクトライズ+Hは撥水作用が付与してあるため、施工後に霧吹きで水を吹き付けて施工確認を行った。施工箇所は水をはじき表面含浸工が施されていることが確認できた。

西之坊橋

工事の様子

使用薬剤(リアクトライズ+H)

歩道部施工の様子

鉄筋にまで腐食が及ぶ箇所
(鉄筋の裏側まではつり取る)

ポリマーセメントモルタルで断面修復
(鉄筋には防錆処置を施した後に)

床版裏面施工後の様子

霧吹きで水を吹き付ける
(施工1週間後)

撥水作用付与により水をはじく様子

別の箇所も確認してみる

撥水作用を確認

--UMAI CHEMICAL-------------------
お問い合わせはこちらまで
東日本担当(エリア:北海道~静岡)

カルサプリの防錆効果

今回は、カルシウム補助剤「カルサプリ」に含まれる、亜硝酸イオンの防錆効果について説明をいたします。



カルサプリに含まれる亜硝酸イオン(NO2-)は、2価の鉄イオン(Fe2+)と反応してアノード部からのFe2+の溶出を防止し、不動態被膜(Fe2O3)として鉄筋表面に着床します。この反応によって不動態被膜が再生され、鉄筋腐食は抑制されます。コンクリートへの亜硝酸イオンによる鉄筋の防錆効果は、塩化物イオン(Cl-)に対するモル比(NO2-/Cl-)に関連し、有効なモル比は1.0以上と云われています。


表面含浸工による実験ではありませんが、過去に大学との共同研究にて、2.4㎏/m3塩化物イオンを添加したコンクリート供試体(鉄筋入)に、亜硝酸カルシウムをNO2-/Cl-=1のモル比で添加し、1年経過後に腐食状況を調査した所、鉄筋の腐食面積が81%減少したとの実験事例もあります。


--UMAI CHEMICAL-------------------
お問い合わせはこちらまで
東日本担当(エリア:北海道~静岡)