(1)コンクリートの中性化
コンクリートの中性化とは、大気中の二酸化炭素がコンクリート表面から浸入し、コンクリート中の水酸化カルシウムが炭酸カルシウムに変化することでpHが低下する現象のこと。コンクリートの中性化が鉄筋にまで到達すると、鉄筋が錆びて膨張することで、コンクリートにひびが入ったり、表面が剥離したりして構造物が劣化します。
(2)中性化の速度式
コンクリートの中性化深さは、C=α√t測に従います。
C:中性化深さ(㎜)
α:中性化速度係数
t:供用年数(年)
例えば、供用25年で中性化深さが15㎜であった場合、
15㎜=α×√25年 → α=3となり
供用49年では、C=3×√49=21㎜と推測できます。
通常環境下のコンクリート構造物では、鉄筋までの中性化残りが10㎜を下回らないようにすることがよいと云われています。
中性化速度はコンクリート構造物ごとに環境や詳細な条件が異なるため、一概には判断できない面があります。
又、建物屋内やトンネルの中などでは、二酸化炭素の濃度が高くなることが多く、二酸化炭素濃度が屋外0.04%、屋内0.16%であれば、中性化速度は屋内は屋外に対して√(0.16)/(0.04)=2倍となります。
(3)影響を与える因子
①湿度:湿度50~60%の時、中性化速度は速くなる。
②養生:十分な養生を行えば、中性化速度は低下します。
③圧縮強度:圧縮強度が高い方が、中性化速度は低下します。
④水セメント比:水セメント比が小さい方が、中性化速度は低下します。
⑤けい酸塩系表面含浸剤:けい酸塩系表面含浸剤が施工されている場合、中性化速度は低下します。
リアクトライズ&カルサプリは、コンクリートの中性化抑制に効果があることを確認しております。詳しくは、各営業担当者にお問い合わせをください。
供試体試験での中性化深さ測定の様子
(フェノールフタレイン溶液による変色域を測定)
フェノールフタレイン溶液
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