今回は、リチウムイオンがアルカリシリカ反応(ASR)を抑制する効果について説明をいたします。
◇アルカリシリカ反応(ASR)とは
ASRとは、セメント中に含有されるアルカリを含む硫酸ナトリウムや硫酸カルシウムなどが、セメントの水和反応の過程でコンクリートの隙間に水溶液として溶けだし、強アルカリ性となり、骨材中のアルカリシリカ成分(SiO2)と反応して異常な膨張を生じる現象のことをいいます。アルカリ骨材反応ともよばれます。
◇ASR発生のメカニズム
ASRによる異常膨張は、コンクリート中のアルカリと骨材中の反応性シリカより生じたアルカリシリカゲルが吸水膨張をして生じます。反応性骨材の膨張はコンクリートを内部から押し広げようするために、コンクリート表面に大きなひび割れとなって現れます。
◇リチウムイオンによるASR抑制効果
リチウムイオンをコンクリート表面から含浸させる工法、ひび割れに注入をする工法がASRの抑制対策に用いられています。亜硝酸リチウムがよく使用されています。
リチウムイオンがコンクリートに浸透すると、反応性骨材又は反応後のシリカゲルと反応し、不溶解性ゲルを生成して膨張を抑制する効果があります。
リアクトライズにはリチウムイオンが配合されています。又pHも11.5程度です。
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